会長あいさつ

Mochizuki

日本薬学図書館協議会会長 望月眞弓
(慶應義塾大学薬学部教授)

 この度、唯野貢司前会長の後任として本協議会会長を拝命致しました。本協議会には10年前より理事として参画させていただいており、電子ジャーナル・コンソーシアムを初め、図書館員のための研究集会、中堅職員研修会、図書館総合展フォーラムなど様々な取り組みを行ってきました。唯野前会長時代には、新たな取り組みとして、薬学部の卒後の生涯学習や自己研鑽への薬学図書館の関わりについて検討され、「薬剤師の生涯学習支援」を軸とした事業展開を進めてこられました。

 薬学図書館と関連が深い医療現場では、医薬品の適正使用において、製薬企業から提供される添付文書が情報源の中心であった時代から、ガイドラインや一次資料を用いた根拠に基づく医療が当たり前の時代になってきました。一方、ITの進歩により、情報収集の場としての図書館のあり方にも変化が求められています。今こそ、大学図書館はどうあるべきか、薬学図書館はどうあるべきか、本協議会から情報発信することが必要だと感じております。

 本協議会は大学図書館と製薬企業の図書館が主な構成員となっております。そうした中で雑誌問題は依然として大きな課題ではありますが、学術論文のオープンアクセス化が進む中で、書籍・雑誌の保管管理、閲覧の場としての図書館から、情報のナビゲーターとして、リテラシー教育の支援者として、ソフト部分の図書館機能の重要性が増しています。今後は協議会会員からの意見を広く募り、近未来の図書館機能を想定した活動を具体化して参りたいと思います。皆様のご支援・ご協力をお願い申し上げます。