野草とともに

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もうせんごけ Drosera rotundifolia モウセンゴケ科 Droseraceae

もうせんごけ Drosera rotundifolia モウセンゴケ科 Droseraceae もうせんごけは食虫植物として有名である が,一体どこに生えているのか知らない人が 多い。
私は中学生の頃から,これが付近の表六甲にあることを聞いていた。
その後西神戸 の池や滋賀県草津市の上桐生などでも見てい るので,意外に色んなところに分布している のではないかと思っている。

今からもう20 年も前に仁川のピクニックセンターへ行った時,もうせんごけがその一隅で保護されてい るのを見た。その時,この小さい白い花が咲 いていたかいなかったかは定かでないが,湿 地を囲む砂地に植えられていて,赤い腺毛の 密生した葉に水滴がたまり,キラキラと輝い ているのが妙に心に残った。  
もうせんごけはそのロゼット状の根生葉が 重なりあっているのがのように見え,腺毛を 含めて赤い葉や茎がのように見えることから 命名されたという。このスケッチは記録によ れば「1990年7月29日画」となってい る。現在私の住んでいる宝塚市逆瀬台を北に 足をのばせば『エデンの園』という老人ホー ムがあり,更に足をのばして逆瀬川沿いに進 めば六甲最高峰まで登って行くことができる。 人家を離れて,ガラガラ道を登って行くと,時々湿ったところがあってもうせんごけが生えていた。人は歩くのに気をとられるような   場所であるので残されたのであろう。 この属名の Drosera はギリシャ語の露(Drosus)からきているが,あのキラキラと光っていた印象を,この学名で再確認することができたといえる。
なお種名otundifolius(a,um)は“の”という意味である。北海道や尾瀬ケ原にはながばやさじばがあるらしいが葉の形で区別できることを暗示している。もうせんごけ類は我が国ではあまり利用されていないようだが,欧米では去痰薬として使用されているという記載がある。
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