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おだまき Aquilegia flabellata キンポウゲ科 Ranunculaceae
おだまきは4月中旬から,5月上旬にかけ て気品のある青紫色の花をつけて,私のもっ とも好きな花の一つである。
先日,4月18 日に御影に住む義弟が「咲きましたよ」とい って,一鉢もってきてくれたので,早速スケ ッチしたのがこれである。山地に自生するみ やまおだまきが園芸化されたので,敢えて, この野草のシリーズに入れさせて載くことに する。
おだまきには苧環の字が当てられていて, 麻などの繊維からとった糸を巻く,糸巻に花 姿が似ているので命名されたという。ところ が私のまわりの人におだまきという名を挙げ て,聞いてみると,うどんの卵とじ料理を思 い浮かべる人のほうが多い。
この植物と食物 との関連性はよくわからない。
属名のaquilegiaはラテン語の鷲(aquila) に関係があり,植物の学名辞典では“鷲の爪” で,おだまきの花の距の形が鷲の爪の形をし ているからだという。aquil-まではわかるが, -legia乃至は-egiaの部分はラテン語の字引 を随分丹念に調べてみたがわからない。種名 のほうのflabellatus(a, um)は扇子状の, という意味で,葉の姿からきている。
最近,西洋産のおだまきを花屋さんの店頭で見掛けることが多いが,前述の属名のアクィレギアという札がよくつけられている。ピンク色や淡黄色のものが多いが,図鑑で調べてみると,A.vulgaris やA.alpiniaのように紫青色のものもある。とくに後者には,有名 なドイツの画家,Albrecht Du¨rer(1471~1528)の正確な画があり,既に15世紀には注目されていたことを示している。このように,この属の植物は,洋の東西を問わず,愛好者が多いことがわかる。また,ヨーロッパでは,これを薬用に用いたという記録もあり,弱いながらも有毒成分も含まれているという。日本産おだまきについて,そのような研究があるのかないのか,私は寡聞にして知らない。
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